よく「特許」という言葉を耳にします。
ですが、「実用新案」という言葉はあまり聞きません。
この実用新案とはいったいなんのことなんでしょう?
疑問に思いましたので、「特許」と「実用新案」との違いを詳しく調べてみました^^
目次
実用新案ってなに?
実用新案は、「日常生活の中で感じた不満点を解消するアイデアがお金になる」という触れ込みで、発明の入門書でも大きく取り上げられる産業財産権の一つだそうです。
では、実用新案の性質やその期限など、入門書では教えてくれない実用新案の事を詳しくみていきましょう^^
まず、実用新案は、既存の特許発明をより使いやすくする為のアイデアを保護し活用する為の権利を与えるものなんだそうです。
既存の特許発明に対する実用新案は、特許発明の特許権者でなくても出願できる性質を持っているので、発明の登竜門的な役割を持っているとの事。
実用新案の定義とは?
実用新案とは、実用新案法で
自然法則を利用した技術的思想の創作
であることと定義されています。
これはどういうことかというと、
- 特許発明をより使いやすくする為に形に工夫を加えた
- 既存のものを特許発明と組み合わせるとこんなに使いやすくなる
と言ったアイデアを具体化したものが実用新案となるのです。
実用新案権の特徴とは?
実用新案の特徴としては、特許と違い「新規性」などを確立する必要が無いことが挙げられるんだそうです。
例えば、
「整髪料の容器の蓋に凹凸を付けて滑りにくくする」
といった工夫には新規性は無いのですが、
「特許発明を進歩させたもの」
と見ることが出来ます。
実用新案は、
より便利になる工夫
であればよいとの事です^^
保護対象の違い?
大まかに言うと、特許は得られる権利が強いのですが、その分、取得が困難で時間とお金が必要です。
逆に実用新案は、権利は弱いのですが簡単に取得できるという長所があります。
下記の表を見ていただければ、違いがわかりやすいかと思います。
◎特許と実用新案の違いの表
特許 | 実用新案 | ||
保護対象 | 物 | 〇 | 〇 |
方法 | 〇 | × | |
取得の難しさ | 難しい | やさしい | |
取得までの時間 | 長い(数年) | 短い(数ヵ月) | |
費用 | 高い | 安い | |
権利の有効期間 | 長い(出願日から20年間) | 短い(出願日から10年間) | |
権利行使時の審査 | なし | あり |
出典:今知的財産事務所
特許と実用新案の保護対象の違いは?
下記図のように、特許の方が実用新案より広い範囲を保護対象にされているそうです。
◎図
↓
出典:今知的財産事務所
特許では「物」も「方法」も保護対象になりますが、実用新案では「方法」は保護対象にならないそうです。
ここで言う「方法」とは、「化学物質の製造方法」や「海苔の養殖手法」などのことです。
また、コンピューター プログラムについては、特許では「物」として扱われて保護対象になりますが、実用新案では「物」として扱われないので保護対象にならないそうです。
取得手続きの違い?
特許を取得するには、特許庁の審査官による審査に合格する必要があります。
このため、特許では出願から特許取得までに数年かかるのが通常との事です。
一方、実用新案は出願するだけで無審査で取得できます。
ということで、実用新案権は特許権に比べて非常に短い時間で取得できます。
権利行使の違い
特許や実用新案を取得した後、他社による権利侵害を見つけた場合は、差止請求や損害賠償請求を行いますが、こうした権利行使の際の手続きが特許と実用新案では大きく異なるとの事。
特許の場合は、権利侵害を見つけたら即時に差止請求/損害賠償請求できますが、一方、実用新案権は実用新案技術評価を請求(要費用)してからでないと行使できないそうです。
さらに、実用新案技術評価の内容によっては、権利行使を断念しなければならない場合もあるということだそうです。
技術や理論よりもアイデア重視
特許の場合、「発明」をしなければなりません。
かのエジソンは「発明とは99%の努力と1%のひらめきである」と述べていますが、ひらめきを発明に昇華するためには自然法則を活用する理論と、正しく動作するように作る為の技術が絶対不可欠なのです。
しかし!
実用新案の場合は「必要は発明の母」と言う言葉を体現するものとなっています。
「不便だなぁ、ここがこうなっていればいいのに」や「これにあれが付いていたら便利なのに」という不満と共に浮かんでくるアイデアを図案化し、文章で説明できるのであれば直ちに実用新案となるのです。
そして、実用新案ではまず特許庁に「アイデア」の内容を評価してもらう必要があります。
良質なアイデアはお金になる
少々さもしい表現ですが、発明を趣味とする人のモチベーションの一つには
発明で一攫千金
があります。
同じ趣味を持つ人は全てライバル、先を越されてなるものか…という気持ちで日夜発明を考え続けると言う人も珍しくないみたいです。
実用新案は、審査が楽な分だけ登録数が多い為、「有益なアイデア」は飽和状態にあるといっても過言ではないとの事。
そんな中から企業に選ばれるのは、
- コスト
- 製造の容易さ
- 安全性
などの条件を満たした、いわば「良質のアイデア」から出来た実用新案なのだそうです。
そんな良質のアイデアを捻出する為に、発明家の卵たちは日夜アイデアを練り続けているようです
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まとめ
今回調べてみて、「特許」と「実用新案」の違いがよくわかりました^^
難しくて私にはわからないだろうなぁ…と思って調べることすら今までしていませんでしたので、調べてみて良かったです♪
私も実用新案登録申請してみようかな…という気になってきました