先日、某タレントさんが、「発達障害を告白」されました。
とても勇気の要ることだったのではないか、と思います。
この告白を知って、「発達障害」って??
と思った方もいると思います。
そこで、発達障害の症状について詳しく調べてみました。
目次
日本における発達障害の定義は、平成16年に制定された発達障害者支援法によって定められており、世界保健機関(WHO)の『ICD-10』(『国際疾病分類』第10版)の基準に準拠しているそうです。
この法律において「発達障害」とは、自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害その他これに類する
脳機能の障害
であって、その症状が通常低年齢において発現するものとして政令で定めるものをいうそうです。
このように、発達障害とは脳機能の障害の総称であり、幼い時に発覚することが多い障害だと定義づけられているんだそうです。
文部科学省の2012年の調査によると、通常学級に在籍する児童・生徒の中で発達障害の特徴を示す子どもは全体の
約6.5%
という結果になったとの事。
これは、診断を受けている子どもの数ではありませんが、その特徴を示す子どもが
約15人に1人
の割合でいるということになります。
また、
との調査結果もあり、女性よりも男性のほうが多いという調査結果もあるそうです。
それでは、「発達障害」の種類はどんなものがあるのでしょうか。
次の項ではその種類に関してまとめてみました。
下記では、ICD-10に準拠した分類のものを簡単にまとめてみました。
■広汎性発達障害(PDD:pervasive developmental disorders)
自閉症・アスペルガー症候群・レット障害・小児期崩壊性障害・特定不能の広汎性発達障害を含んだ総称。
■注意欠陥・多動性障害(AD/HD:Attention-Deficit/Hyperactivity Disorder)
年齢的に相応した言動などに不注意・多動・衝動性の症状が複数見られる。
■学習障害(LD:Learning DisordersまたはLearning Disabilities)
知的には問題はないが「読む・書く・計算」などの特定の能力を要する学習が極端に困難な状態。
■知的障害
知的な発達の遅れがある。
知的障害は発達障害者支援法では発達障害には含まれませんが、自閉症の中には知的障害を伴う方もいます。
それでは、一つ一つここで分類した発達障害の特徴などを詳しく下記の項で説明します^^
特徴としては、対人関係・社会性やコミュニケーション能力に障害があり、物事に強いこだわりがあり、また感覚が異常に過敏(または鈍感)であったり、想像力の障害などもあります。
具体的には、
というような行動が見られます。
ADHDは「注意欠陥・多動性障害」と呼ばれることが多いですが、2014年に日本精神神経学会により「注意欠陥」が「注意欠如」に改名されたので、正式には「注意欠如・多動性障害」という名称だそうです。
しかしながら、現在でも「注意欠陥」を使う人が多いそうなので、本記事ではこちらを障害名として使っていきたいと思います。
特徴は、
具体的には、
学習障害(LD)は、2013年に出版されたアメリカ精神医学会の『DSM-5』(『精神障害のための診断と統計のマニュアル』第5版)においては、新たに限局性学習症/限局性学習障害という名称・分類に改められたとの事。
しかしながら、現在でも「学習障害」を使う人が多いので、本記事ではこちらを障害名として使っていきます。
特徴は、
基本的には全般的な知的発達に遅れはないが、読む・書く・聞く・計算などのある特定分野における理解・能力取得に極端な困難さがあります。
具体的には、
知的障害の特徴は、日常生活や学校生活の上で、知的能力の発達の遅れから、学習やコミュニケーション、認知の困難が見られます。
また、生活能力・適応能力にも困難が見られるとの事。
知的能力と適応能力の両方の側面から軽度・中度・重度・最重度の4つに分けられているそうです。
具体的には、
というような感じのまとめとなりました。
次は、「自分が発達障害ではないか?」と疑いを持ったときに、セルフチェックの判断など、どうやるのか?などを調べてみたいと思います。
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発達障害について、気になる症状がある場合は医師に相談し、診断を受けることもできます。
医療機関での診断は、2013年に出版されたアメリカ精神医学会の『DSM-5』(『精神障害のための診断と統計のマニュアル』第5版)や世界保健機関(WHO)の『ICD-10』(『国際疾病分類』第10版)による診断基準によって下されることが通常だそうです。
医療機関での診断は、子どもの場合は、
などで行われることが多いそうです。
また、18歳以上の場合は一般的に精神科や心療内科で診断がなされます。
しかし、発達障害を診療できる専門の医療機関はまだまだ少ないのが現状との事です。
各地域の「発達障害者支援センター」に相談をして、専門の医療機関を紹介してもらう方法をおすすめします。
担当者との相性も大切なので、納得のいく医療機関を選ぶようにしたいものです^^
医療機関では、
など、しっかりと話を聞いた上で総合的な判断が下されるそうです。
原因や治療は各障害や個々のケースによって異なりますが、まだ解明が進んでいないことも多く研究段階であり、現在の医療で根本的な治癒はできないそうです。
また、障害の重さや症状に個人差が大きく、個々のニーズにあった療育や支援、投薬が必要となってきます。
発達障害のほとんどは、脳波やMRIといった生理学的な検査だけで診断することはできないそうです。
発達障害の診断は、行動観察と聞き取り、心理検査などを通じて総合的に行われるとの事。
発達障害の診断は医師にしかできませんが、発達障害のセルフチェックポイントの参考を紹介したいと思います。
※発達障害の中にも種類がいくつかある上、それらの特徴も変わってきますので、チェックポイントといっても、正式な診断ではないことに注意
自己判断はせず、あくまで気づきのレベルでご活用いただき、当てはまる項目が多い場合や気になることがある場合は、専門機関に相談しましょう。
~セルフチェックポイント~
子どもの場合は専門医のいる小児科や小児発達神経科、児童精神科で受診することができるとの事。
また、思春期以降の場合は精神科での受診も可能だそうです。
総合病院や大学病院などに専門の科がありますが、近くにないときには地域の保健センターや児童相談所、かかりつけの小児科医、総合病院の小児科、発達障害者支援センターなどに相談すると、必要に応じて発達障害を診断してくれる医療機関を紹介をしてくれるようです。
詳しくは次の項を見てみてください^^
医療機関では、面談(観察)や脳波などの生理学的検査、認知・知能などの心理検査などから総合的に発達障害かどうかを診断するそうです。
上で述べたとおり、発達障害の症状が軽度の場合は、個性の範疇ととらえられてしまうことも多く、診断に時間がかかったり、診断がおりないこともあります。また、幼い時に発達障害ではないと診断された場合でも、小学生になってから発達障害と診断される場合もあるとの事。
症状の特徴にはやく気づき、相談や治療をはじめることは、症状を改善したり、本人の自信にもつながるそうなので、発達の遅れや偏りが見られた場合は、なるべく早めに地域の相談機関、もしくは医療機関に相談したほうがよさそうです。
発達障害なのかな、と疑問を持った場合、いきなり自分で医療機関を探すのは難しいので、まずは無料で相談できる地域の専門機関に相談するようにしましょう。
子どもか大人かによって、行くべき専門機関が違うので、以下を参考にしてみてくださいね^^
【子どもの場合】
【大人の場合】
知能検査や発達検査は児童相談所などで無料で受けられる場合もありますし、障害について相談することも可能との事です。
その他、発達障害者支援センターで障害についての相談ができるそうです。
自宅の近くに相談機関が無い場合には、電話での相談にのってくれることもあるそうなので、まず身近な相談機関に行って、診断の疑いがあればそこから専門医を紹介してもらいましょう。
※この他にも、児童精神科医師や診断のできる小児科医師もいるとの事。
発達障害への対処・治療には大きく分けて「教育・療育的支援」と「薬による治療」があります。
ですが、現時点で発達障害を根本的に治療することはできないそうです。
また、治療の目的は、単に症状を抑え、扱いやすい子どもにすることではありません。
周囲の人の理解や環境の工夫によって、子どもが自ら行動をコントロールし、これまでうまくいかなかった学習に取り組みやすくしたり、友達や家族との関係を良好にしたりすることで、充実した生活が送れるようになるということだそうです。
成功体験や充実した日々を送ることで、症状の改善をはかるのです。
発達障害によって困難を感じていることに対し、必要な支援がなされます。
困難を軽減するために子どもの周辺環境を整え、本人の適切な行動や、保護者の子どもに対する適切な対処方法を学びます。
認知・言語に困難があると、コミュニケーションの上でも問題やトラブルが起こりやすいので、コミュニケーションスキルや社会的スキルのトレーニングを行います。
また、感情理解や感情のコントロールのトレーニングを行うこともあるとの事。
自分の得意分野や苦手分野を理解した上で、得意な部分を生かしたり苦手な部分を工夫したりすることで、成功体験を増やし適応能力を伸ばしていくとの事。
症状によっては薬物療法が必要とされる場合があります。
脳内の神経伝達物質のアンバランスを改善することで、神経の働きを調整し、症状のコントロールを行います。
薬物、障害を根本的に治すものではなく、あくまで特徴を緩和するために処方されます。
人によっては、食欲不振、吐き気、頭痛、動悸、興奮、チックなどの副作用が生じることがあるとの事。
医師とよく話し合った上で、容量・用法を守った服用を心がけることが必要です。
また、薬で症状が落ち着いている際には、いろいろなことが吸収しやすくなるので、スキルトレーニングなどを必ず併せて行うようにすることが好ましいようです。
発達障害ということに気づかなかったり、気づいていても適切なサポートを受けられずにいると、周囲に理解されず叱咤や非難を受けたり、失敗体験を積み重ねるなどして、本人の自尊心ややる気が失われ、新たな障害が生じることがあります。
これを、いわゆる「二次障害」といいます。
注意すべき二次障害の症状・状態には以下のようなものがあります。
など。
コミニュケーションがうまく取れずに孤立してしまったり、友達関係のトラブルや学習障害によって自分の居場所がなくなってしまうと、学習意欲が低下したり、不登校になり引きこもりがちになる、などといった症状や状態が引き起こされることがあるとの事。
このような症状や状態が現れた場合には、それらに対する治療を行うことが必要となります。
こうした二次障害を引き起こさないためにも、発達障害の早期発見と、早期からの対処が求められます。
発達障害は日本ではまだ理解されにくく、本人だけでなく家族も悩まされていることが多いですが、身近な人が気づき支援していくことで、本人の苦手なことを少しづつでも改善し、本人が自信をつけるサポートをすることが重要だそうです。
たくさん褒められたり、コミニュケーションに自信が持てたりするようになると、ほかの症状においても改善が見られる場合もあるそうです。
家庭における支援はもちろん、学校や地域の支援センターなどと連携しながらサポートしていくことが好ましいでしょう。
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発達障害の子でも、育った環境によって、精神に影響がありそうです。
発達障害の上に両親から愛された感がない、などは自尊心が低くなりやすいと思います。
ご両親には、お子さんが発達障害であっても、愛情は与えてあげてほしいと思います。
そして、発達障害者にとって一番つらいのが、「普通」の子のようになれ!と言われ続けることです。
そうではなく、その子には「好きなこと」や「得意なこと」が必ず一つはあるはずです。
私は、「苦手なことを克服するやり方」ではなく、「得意を伸ばす」やり方で、発達障害の子が輝ける人生になる…そういう教育システムを国や支援センターに取り入れてほしい、と思います。